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TPP成功の条件

 成長戦略としてTPPにすがる向きが出てきた。
 これは、大きな間違いである。

 実はTPP成功は、官僚主導からの脱却や規制緩和の動きがまず
必要で、その上で、更にどうしようかというものである。
 
 関税障壁が無くなるということはどういうことか言えば、その国独自の弱み
強みが一切無視されるということである。
 分かりやすく言うと、日本のように狭い上に山が多い国土で大規模な小麦
や肉牛などの経営が国土の大きな国同様に成り立つはずがない。しかし、
人口や科学的知識や手先の器用さを生かして、工業用の工場を近代化する
ことで工業競争力を確保することはできた。この場合、弱い小麦・肉牛を国内
で産業として保護しておくのに欠かせないのが関税であり、官僚が得意とする
のは、こうした法を利用したディフェンスで、成長戦略ではない。

 だから、関税障壁が完全撤廃されれば、「日本」という国を考えたとき、その他
の国と比較して何が残り、何が消えるのかをはっきりシュミレーションしておくこと
は非常に重要である。 例えば、車の工場などは競争力が高いから残りそうな気
もするが、そうであろうか。また、前述のように一部の農産物は国内に産業として
残るのは難しい。また、どういう産業が伸びると考えるのか、またその理由は本当
にTPPによるものか徹底的に考慮するべきである。
 
 その上で、ISDS条項が保険としてセッティングされている。
 関税の撤廃だけでも、大きな話なのに、たとえ競争力の高い製品を輸出したと
しても、一発でクレーム化される可能性もある。

 日本の官僚組織は、国内では法律や権限を楯に強いものの、輸出品として
成功してきた車・電気製品・アニメーション・ゲームなどは、彼らが興味を持たず、
ほったらかしにしてきたという過去の歴史を注視する必要がある。

 その意味で、このTPPという仕組みに入るのであれば、まず規制を他国並みに
撤廃するところは撤廃し、国内での制限をまず解除して始めてスタートに発てる
のである。
 
 クールジャパンに官製で500億積むとか何とか言ってるのは、焼け石に水に
で、まず、恥ずかしくない日本人を大量に移民させることが必要である。厳しい
ことを言うようだが、現在の日本の駐在員の現地での評判を詳しく調べたほうが
良い。イメージ戦略というのはそういうものである。
 また、パソコンというツール一つを見ても、つい、確かに2000年代半ばまでは
VAIOやDYNABOOKがCOOLなイメージを醸しだしていたが、米国・アジア諸国が
タブレットを含め、多種多様な製品を安価に送り出す戦略を取り、日本製は形は同じ
で価格が高く、現在全く競争力を持たなくなってしまった。
 この、日本製のパソコンの衰退を反面教師に勉強し直すことが必要だろう。


 
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by e-principle | 2013-03-05 22:52 | 経済
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